2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760438
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高木 次郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (90512880)
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Keywords | 建築構造 / 鋼木複合断面部材 / 耐火性能評価 / トルシア形高力ボルト |
Research Abstract |
本研究では、経済性や加工性が高い木質構造の長所を生かしつつ、部材の大きさの制約や接合部の強度確保の問題を補う目的から鋼板と木材とを組合せた鋼木複合断面部材を開発する。複合断面は、鋼板を木材で挟み込む形状をしており、その一体化接合には、鋼構造用のトルシア形高力ボルトを利用する。このような鋼木複合断面柱および梁の構造性能を首都大学東京の実験施設を用いて調査した。その結果、接合部は、必要と考えられる耐力と剛性を有することが確認できた。一方で、経時の影響を確認する目的で、高木複合断面の接合部のみの実験を、締め付けから数カ月経たのちに実施した。その結果、ボルトの張力が時間とともに低下し、せん断(ずれ)耐力も低下することが確認された。今後、接合部の耐力の低下が、複合断面部材としてどのように影響するのかを解析を含めて調査する予定としている。また、接合部のクリープの影響を確認する目的で、クリープ実験を開始した。2011年3月の時点で、9カ月程度が経過しており、張力の低下の度合いが経時実験における低下の度合いよりも小さいことを確認している。今後、さらにクリープの影響を継続調査する予定としている。接合部の詳細については、座金形状を改良することを含めて、性能向上を目指す計画としている。
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