2011 Fiscal Year Annual Research Report
伝統軸組構法の耐震改修技術の開発ー土壁と軸組の修復技術
Project/Area Number |
21760439
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
田淵 敦士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (90514191)
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Keywords | 継手 / 金輪 / 圧縮 / 継手長さ / 機械等級区分 / スギ / ヒノキ |
Research Abstract |
伝統的な木造建築の柱脚の腐朽等による損傷に対して、金輪継手を用いた根継ぎによる修理が行われることがある。本研究ではその根継ぎに用いられる金輪継手を対象として、力学的特性を明らかにすることを目的とした。 過年度の研究において、スギおよびヒノキの機械等級区分された材料に対して、継手長さの異なる場合の曲げ強度に関する実験的研究を行い、その特性の違いを明らかにした。本年度は圧縮性能に着目し、曲げ試験同様に、機械等級区分されたスギおよびヒノキについて、継手長さを変数とした圧縮実験を行った。ここで用いた材料のスギおよびヒノキは何れも乾燥材(SD20)の正角材(120mm角)である。供試体を作製の前に、機械等級区分を行い、スギについてはE90を、ヒノキについてはE90とE110を選択した。また、継手の長さは240、300、360mmの3種類で、曲げ試験の場合と同じ実験変数とした。 その結果、次のことが分かった。 1)スギよりヒノキの方が高い強度と剛性を示し、樹種の違いが圧縮性能に影響を及ぼすことが示唆された。 2)圧縮強度は基準強度に対して60%を上回り、特にヒノキE90では80%を超えた。 3)ヒノキE90はE110よりも剛性および強度が高い傾向がみられた。 4)曲げ試験においては、継手長さの影響が現れたが、圧縮試験では、その差が明確ではなく、300mm前後の継手長さでは圧縮強度は左右されないことが示唆される結果となった。
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