2009 Fiscal Year Annual Research Report
任意方向からの地震入力を受ける平面的・立面的に不整形な建築物の地震応答性状の解明
Project/Area Number |
21760443
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 賢志 Chiba Institute of Technology, 工学部, 助教 (20397029)
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Keywords | 建築構造 / 地震応答 / 偏心 / 耐震設計 / 地震動の主軸 |
Research Abstract |
今年度は,(1)任意方向からの地震入力を受ける多層偏心骨組の柔側構面の最大応答変位の上限値の推定手法の開発と検証,ならびに(2)単層偏心骨組模型による加振方向をパラメータとした振動実験,の2つを実施した。 まず(1)に関しては,研究代表者が既に提案している,部材レベルの多層立体骨組による変位モード強制型静的漸増載荷解析法を用いて,L字型の平面を有する4層骨組の非線形解析を実施した。その結果として,部材の損傷に伴う剛性の低下により,1次モード応答の主軸方向が弾性時から変動する事,換言すれば偏心建物において変形が最も大きくなる柔側構面の応答が最も厳しくなる入力方向が,応答レベルにより大きく変動する事がありうる事がわかった。次いで,非線形領域での1次モード応答の主軸方向の変動を考慮した等価1自由度系モデルへの縮約方法を定式化して,任意方向からの水平1成分入力に対する最大応答の上限値を推定する手法を開発した。これを用いて,1次モード応答の主軸方向が著しく変動する建物の場合においても,柔側構面の最大変形の上限値を概ね推定可能である事がわかった。 一方で(2)に関しては,(1)の解析的な研究と平行して,アルミニウム合金を用いて単層で4本柱を有する1軸偏心ならびに2軸偏心試験体を作成し,加振方向をパラメータとした振動実験を実施した。ここで,振動実験でのポイントは,試験体を円盤上に固定し,円盤の向きを変える事で加振方向を変化させるようにした点である。実験の結果,偏心骨組の応答性状は加振方向の影響を強く受け,ねじれ応答が顕著となる加振方向と非常に小さくなる方向が存在する事がわかった。加えて,益野らの方法を改良して実験結果よりモード形を推定し,上記の結果が各モード成分が卓越する加振方向の違いから説明できる事を示した。
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Research Products
(2 results)