2010 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブデザインのための屋内外を連成した光・熱環境の設計支援ツールの開発
Project/Area Number |
21760446
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中大窪 千晶 佐賀大学, 工学系研究科, 講師 (30515143)
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Keywords | 建築環境・設備 / 環境調和型都市基盤設備・建築 / シミュレーション / パッシブデザイン / 熱・光環境 |
Research Abstract |
本年度では、主に放射解析の計算アルゴリズムの精度の検討とアルゴリズムの再検討、樹木のモデル化のための数値実験を行った。 熱・光環境を評価する上で重要となる放射解析に関して、様々な建物形状、条件で精度検証を行った。その結果、光環境を評価する上で十分な計算精度が得られなかったため、計算アルゴリズムの改良やマルチレイトレースを行う際の探査線の数、多重反射の考え方などの再検討を行い、設計支援として用いるには十分であると考えられる計算精度になるように検討を行った。また、三次元熱伝導に関してモデル化をおこなう予定であったが、研究代表者の所属変更にともない、本年度でのモデル化が困難となったため、次年度において、大型計算機を用いた数値解析を行いた精度検証を行いながら、モデル化に取り組む。さらに、設計支援ツールとして、設計者が使用できるよう3D-CADをベースとしたプリ処理の開発に取り組んだ。現状では、使いやすいインターフェイスとは言い難いため、来年度においてこのインターフェイスの精査を行う。 パッシブ手法の重要な要素の一つである樹木に関して、夏季と冬季の日射調整(夏季においては日射遮蔽、冬季においては日射の取り込み)のモデル化を行うための数値実験を行った。前年度では、夏季のみの樹木の日射遮蔽に関する数値実験を行い、樹種ごとの特徴を考察したが、今年度は、落葉樹の冬季の日射遮蔽効果について数値実験を行なった。その結果、樹木種ごとに枝や幹の関係性が見られた。前年度、今年度を通して、パッシブ手法に必要となる夏季・冬季の樹木の日射調整効果の特性を把握したため、来年度は、この結果を基にモデル化を行う。
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