2011 Fiscal Year Annual Research Report
学校教室における児童の健康・快適性に配慮したシーリングファン利用空調の設計
Project/Area Number |
21760449
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桃井 良尚 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40506870)
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Keywords | シーリングファン / エアコン / 学校教室 / 快適性 / 省エネルギー性 / ドラフト / 上下温度差 / CFD解析 |
Research Abstract |
1.人工環境気候室におけるシーリングファン気流の長期暴露下での被験者による温熱環境評価および生理量測定 夏期にシーリングファン気流を長期暴露した際の心理・生理反応の経時変化を被験者実験により把握し,シーリングファン回転数およびゆらぎ運転、気流暴露時間の影響について検討を行った。その結果、気流により特に手の皮膚温が低下することがわかった。皮膚温の低下幅は、平均風速の大きさと順序が一致した。また一定風速条件下では、気流暴露開始後、時間の経過とともに気流快適感が不快側へ変わる傾向が見られた。90分間の気流暴露後の熱的快適感の評価は、一定風速条件よりもゆらぎ条件の方が相対的に高くなった。さらに、夏季における温冷感について、これまでの研究で知られているように、全身温冷感が「やや涼しい」ときに熱的快適感も高く評価されることが今回の実験でも確認された。サンプル(被験者)数が少ないものの、上方気流による温熱環境評価及び皮膚温測定した例はなく、非常に有意義な結果と言える。 2.CFD解析による冷房時の室内空気攪拌効果の基礎的検討 既往研究では、大空間におけるシーリングファンの効果について検討がなされているが、現状では設計手法が確立されていない状況であり、エアコンとシーリングファンを併用した際の設計手法の確立を目的とした。既往研究で作成したシーリングファン気流モデルを用いて、冷房時における標準空間を想定した定常解析を行った。具体的には、シーリングファンの設置位置と台数をパラメータとし、空間の気流及び温熱環境に与える影響について検討を行った。その結果、シーリングファンを用いると室の居住域平均風速が上昇し、温熱評価指標SET*が低下することが示された。また、ドラフト評価指標であるEDTによるドラフト評価を行った。シーリングファン設置の設計手法確立のための基礎データとして資する結果が得られた。
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Research Products
(3 results)