2010 Fiscal Year Annual Research Report
CFD技術を用いた住宅暖房室内の温熱環境予測改善に関する研究
Project/Area Number |
21760453
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小笠原 岳 東京理科大学, 工学部・第一部建築学科, 助教 (30516232)
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Keywords | 熱的快適性 / CFD / 対流熱伝達率 / 着衣熱抵抗 |
Research Abstract |
本研究は、数値サーマルマネキンを用いた数値流体解析技術において、主として暖房教室内の温熱快適性に関する予測技術の向上を目的としている。本年度はCFD技術を用いた結う封じの着衣抵抗変化予測に着手した。暖房居室内に暴露された人体の温熱快適性を精度良く予測するためには、複雑な人体形状を模擬すると共に、人体からの熱損失を精度良く予測する必要がある。このため着衣表面の熱伝達率や着衣の熱抵抗値を性格に把握する必要があるが、有風時などは同一の着衣でも対流熱伝達率や熱抵抗が変化する可能性がある。よってサーマルマネキンを用いて、暴露風速をパラメータとした熱抵抗実験を行い、対流熱伝達率および熱抵抗値の算出を試みた。その結果、対流熱伝達率は一般的に用いられている対流熱伝達率の予測式に比べ、小さい値を示した。また通気性の高い着衣の場合、有風時に着衣手熱抵抗が小さくなることが確認された。これらの結果を踏まえ、実施した実験をCFD解析で再現し、主に高速気流環境に暴露された人体の対流熱伝達率の再現性と、着衣量が予測精度に及ぼす影響について検討を行った。その結果、3次非線形低Re数型k-εモデルに改良Launder-katoモデルを組み込むことで、着衣なしの人体の対流熱伝達率を正確に予測できること、高速気流環境下において適切な着衣熱抵抗の設定が予測精度に大きく影響することを明らかにした。 また床暖房などに想定される接触熱伝導が人体温冷感に与える影響について、被験者実験を行ったところ、被験者実験においてはPMV>0の場合に足裏接触による影響が大きくなる傾向を示した。さらに顕熱損失量予測から足裏加熱の有無が温冷感に与える影響を検討したところ、足裏面積が体表面に占める割合が極めて小さいため、結果にほとんど影響を及ぼさなかった。
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