2009 Fiscal Year Annual Research Report
市街地における騒音伝搬に及ぼす気象影響の解明と予測モデルの開発
Project/Area Number |
21760456
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Research Institution | Kobayasi Institute of Physical Research |
Principal Investigator |
横田 考俊 Kobayasi Institute of Physical Research, 騒音振動研究室, 研究員 (60390738)
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Keywords | 騒音予測 / 気象影響 / 音響数値解析 / 時間領域差分法 / CFD / 可視化・可聴化 |
Research Abstract |
本研究では,市街地における騒音伝搬に及ぼす気象影響を明らかにし、その影響を考慮した実用的な予測モデルを構築することを目的としている。本年度は,以下の3点について主に検討を行った。 対象空間内に任意に設定された風速分布を考慮可能な音響伝搬解析手法について検討を行い,時間領域差分法(FDTD)によりそれを可能とした。これにより,CFDで得られた任意の風速分布を考慮した音響伝搬解析が可能となった。また,従来は平坦な地表面上の伝搬に限定して検討されてきた音響伝搬に及ぼす気象影響について,FDTDを用いることで地表面上に凹凸(地形の変化や建物群)を有する音場についても検討が可能となった。なお,平坦地表面上の伝搬については,従来の数値解析手法(PE法)とFDTDは良い対応が見られた。 気象条件の違いによる聞こえ方の変化をシミュレーションするシステムに関する基礎的検討として,FDTDで得られたインパルス応答あるいはそれに任意の音源をたたみ込み積分した信号をAD変換することにより試聴可能とした。 解析手法の開発と平行して,実測により気象影響を明らかにするため,特定の音源について長期間定点測定を行うシステムについて検討を行った。同一の音源について長期間測定を行うことで,気象影響による伝搬特性の変化が確認できると考えられる。 また,次年度に現実的な条件を設定して数値解析を行うため,および長期の実測期間を確保するため,CFD解析システムの導入,大規模音響解析を可能とするハードウェアの整備,長期間騒音測定システムの構築に係る作業を初年度に優先的に行うことが効率的と考え,それらに係る機器等の整備も本年度に行った。
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