2009 Fiscal Year Annual Research Report
「新」自治体主導型地区まちづくりに関する日独比較研究
Project/Area Number |
21760461
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
姥浦 道生 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20378269)
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Keywords | 地区まちづくり / 東北地方 / ドイツ / 行政 |
Research Abstract |
本年度は、日独両国における基礎的情報の収集(文献の収集・レビュー)及び日本における地区レベルの行政組織体による地区マネジメントの実態把握を、主として事例分析を通じて行った。このうち、後者の事例調査の対象としたのは、近年合併を行った東北地方の自治体で、従来の自治体域よりも狭域の空間的範囲を対象とした行政組織体が立ち上げられている、横手市、湯沢市、花巻市、大崎市である。調査方法は、各市の自治体行政及び地区マネジメントの担当者へのヒアリング調査、文献調査、現地調査によった。 調査の結果、合併を契機として、行政主導によるコミュニティへの権限や財源の移譲が行われており、その中で自治組織には地区内の合意形成機能・事業実施機能・企画計画機能の3つが期待されていること、自治組織には包括的な権限と財源が移譲されているが、組織の運営には職員住民双方に戸惑いが見られること、自治組織に対しては職員が派遣されており、合意形成の際のモデレーターとしての役割や計画原案作成等の役割を担っている場合が多いが、住民の組織運営能力向上を図る支援や自治組織同士の連携を進めるための支援等は十分とはいえないこと、等を明らかにした。 以上、本年度の研究成果は、次年度さらにわが国における地区まちづくり活動における自治体行政の役割・機能の実態を調査・分析するための基礎となるものであり、またドイツにおける「まちづくり」の実態を比較的に明らかにするための視点となるものである。
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