2010 Fiscal Year Annual Research Report
「新」自治体主導型地区まちづくりに関する日独比較研究
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21760461
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
姥浦 道生 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20378269)
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Keywords | 行政・制度 / 地区まちづくり / ドイツ / 行政支援 |
Research Abstract |
本年度は、まず日本における行政主体が地区マネジメントにおいて果たしている役割に関して、横手市、湯沢市、北上市、大崎市を事例として、各自治体のコミュニティ自治施策をまとめると共に、行政及び各地区協議会に対してアンケート調査・分析を行なうとともに、典型事例についてはヒアリング調査を行った。その結果、活動の担い手の観点から各自治組織は、「職員主導・活動維持型」「職員主導計画先行型」「住民主体型」の3種類に類型化することができることを示すと共に、それぞれの特徴と課題を明らかにした。 次に、比較対象として旧東ドイツを中心に行われている地区マネジメント(Stadtteil management)を取り上げ、調査を行なった。その特徴としては、民間コンサルタント会社の地区マネージャーが地区オフィスに常駐していること、都市計画的、医療・福祉的、労働局的な仕事に従事していること、また機能的には情報伝達機能、情報発信機能、催事機能、計画機能、各種会合の事務局機能を果たしていること、等を明らかにした。 このような日独の地区マネジメントの共通点としては、行政が何らかの支援を行なっていること、多くの場合、行政や専門家といった一定の専門性を有する主体が主導的な役割を果たしていること、都市計画的な活動のみならず非常に幅広い活動が行われていること等が挙げられる。また差異及び我が国の今後の課題としては、我が国では住民主体の運営が行われている地区もあるが、一部特定の住民に過大な負荷がかかるなど、継続的な運営体制の構築が求められていること等が挙げられる。 このように、本研究を通じて我が国の地区マネジメントの相対化を行うと共に、その課題を明らかにした。
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