2009 Fiscal Year Annual Research Report
近隣商業機能とコミュニティ機能の充実による集合住宅団地の活性化、再生に関する研究
Project/Area Number |
21760471
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊丹 康二 Osaka University, 工学研究科, 助教 (00403147)
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Keywords | 集会所 / 団地再生 / 買い物難民 / 建て替え / 団地内施設 |
Research Abstract |
集合住宅団地の活性化や再生のためには、住居空間の改修だけでなく、近隣商業機能ならびにコミュニティ機能の充実が必要である。本研究では、両機能の充実のための方策を検討することを目的とする。今年度は、各機能について以下の検討を行った。 1. 近隣商業機能の充実のための方策 高齢者や生活保護世帯が多く入居する公営住宅団地では移動手段が限られるため、より適切な近隣商業機能の配置が求められる。そこで、団地から半径500m内に近隣商業施設が少ない公営住宅団地を対象として、周辺施設の実態調査と住民への聞き取り調査により、住民の日常生活行動の実態を明らかにし、店舗利用以外の方法として宅配サービスや親戚や友人に頼る方法などの可能性を探った。 2. コミュニティ機能の充実のための方策 団地内集会所は住民のコミュニティの拠点であるとの考えから、今年度は集会所を積極的に活用するための方策を中心に検討した。 (1) 公的賃貸集合住宅の建て替えでは、居住者の入れ替わり、自治会の解散、住棟や外部空間の更新などが同時に発生するため、それまで育まれてきた住民のコミュニティが継承されることが難しい。そこで本研究では、大阪府下の公的住宅団地の建て替え事例を対象に、集会所の空間構成の変化を捉え、管理運営や利用の変化と実態を明らかにした。建て替え後、積極的に集会所を利用している団地では、建て替え前から集会所の建設や管理運営に関わっていたことなどがわかった。 (2) 住民が自主管理を行う大規模分譲集合住宅では、住棟や駐車場などの管理に多大な労力が割かれ、集会所の積極的な運営が行われていないことがある。そこで、管理組合の会計業務などは管理会社に委託するほか、周辺の管理組合とともに集会所を共同管理、共同運営する可能性を示した。
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