2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハリケーン・カトリーナ災害の復興過程における地域生活空間の再構築に関する研究
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21760472
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 民代 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50416400)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 住宅復興 |
Research Abstract |
2005年8月末に米国で発生したハリケーンカトリーナ災害後の住宅再建と地域生活空間の復興をテーマにした研究である。カトリーナ災害の被災市街地の一つであるルイジアナ州ニューオリンズ市を研究対象とし、三つの地域生活空間を対象として経年的な住宅再建調査および住宅所有者30名に対するインタビュー調査を実施した。 地域間の復興格差を生み出す要因として①地域の不動産価値による住宅再建の選択肢の多少、②所得が多い層に有利に働く州政府による住宅再建支援制度、③住宅再建を断念して放棄されている住宅を解消する手段の不足を指摘した。現場の目視によって行った住宅再建調査によって、再建された住宅の周辺に放棄された住宅や空地などが点在する「まだら住宅復興」の実態および経年変化を明らかにした。 住宅再建の実態およびと地方自治体、地域まちづくり組織、非営利組織、被災者等などへのインタビュー調査により、同災害では地方自治体の復興を推進するリーダーシップが欠如しているために、「まだら復興」現象をもたらした要因には、個人の脆弱性という受動的な因子に加えて、被災者らの復興に対する取り組む「地域力」や第三者としての非営利セクターによる住宅再建支援という能動的な因子が大きな影響力をもつと考えられることを指摘した。 本研究を通じて、安全な地域生活空間を作り上げ、まだら復興という状態を低減するためには不動産の移管と集約再編を伴う『クラスタリング住宅復興』という手法が有効であり、その主体として地域住民で組織されるコミュニティ開発法人が重要な役割を担う」という仮説を構築し、これを検証していくことが今後の研究課題である。 広域巨大災害として東日本大震災との共通点も多く、ニューオリンズの経験や教訓を生かして東日本大震災の被災地に適用可能な住宅復興モデルについても検討していくことが求められている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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