2009 Fiscal Year Annual Research Report
農山漁村における住まいの世代交代と空き家化に関する研究
Project/Area Number |
21760473
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
平田 隆行 Wakayama University, システム工学部, 助教 (60362860)
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Keywords | 空き家 / Iターン / データベース / 中山間地域 / 集落居住 |
Research Abstract |
平成21年度は,1 「空き家の量的把握」,2 「空き家の質的把握」を行った。また,本来は22年度での計画であった,3 「空き家所有者へのアンケート調査」にも着手している。 1 「空き家の量的把握」として,はじめに統計局住宅調査(平成20年度)の分析を用い,全国レベルの空き家動向を分析した。その結果,全国3位の空き家率である和歌山県を特に分析する妥当性が検証できた。 2 「空き家の質的把握」 次に,和歌山県海草郡紀美野町を研究対象地として「空き家の全件調査」を行った。およそ5000世帯の自治体にて悉皆調査を行い,また空き家の位置,写真などをすべてデータベース上に入力した。結果として,約750軒の空き家があることが明らかとなり,空き家の4割はすぐに居住可能,また軽微な改修で居住可能な空き家は計9割に達するなど,空き家は住宅ストックとして質量ともに十分であることがわかった。外観から空き家と判断することが難しく,実際には3割近い空き家率であっても,それが集落景観に反映されないこ。故に高い空き家率が視認できないことが問題を見えにくくしていることが指摘される。一方で都市民が空き家を入手したがっている状況に有り,大量な空き家があるのに都市民にはそれらが供給されるどころか,存在すらわからない状況にある。 3 「空き家所有者へのアンケート調査」 空き家所有者のうち,現住所が確認できた約500世帯にアンケート票を郵送し,33パーセントの回答を得た。所有者の所在地が把握されており,居住地と空き家との距離から様々な分析が可能である。その分析は平成22年度に行う予定である。
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Research Products
(3 results)