2010 Fiscal Year Annual Research Report
農山漁村における住まいの世代交代と空き家化に関する研究
Project/Area Number |
21760473
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
平田 隆行 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60362860)
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Keywords | 空き家 / Iターン / データベース / 中山間地域 / 集落居住 |
Research Abstract |
平成22年度は、「住まいの世代交代の把握」を行っている。一昨年度同様、和歌山県海草郡紀美野町を研究対象地とし、,1:住み家の相続状況の把握、2:空き家の相続状況の把握を行った。 1については、2つの方法をとった。第一は、現在の住民に対して、どのように住まいを引き継ぎ、どのようにそれが引き継がれる予定なのかを、10地区110名を対象に対面アンケートを行った。ここでは特に昭和20年代、30年代において、キョウダイが多く、家督概念がなくなった相続制度の下では、等分相続が頻発し「分家」として住宅が増えたことが明らかとなった。また、昭和50年代以降、過疎と少子化から、増えた住宅が空き家となり、複数の住宅を所有する世帯が増えていることが明らかとなった。 このようなトレンドが明らかとなったため、第二の調査が必要になった。どのように住宅が分裂し、収斂するのかをしらべるため、集落を一箇所選定し、全戸の相続・分裂・収斂を調べることとなった。今回は井堰集落を対象に全戸ヒアリング調査を行った。 2では、1と同様の相続経路調査を、空き家所有者に対して郵送アンケートにて行った。実施は2010年12月から1月とし、回収率30パーセント、約80件のデータを得られた。1および2によって得られたデータを元に分析を行うと、特に、相続世代の深度(あたらしい家か、何世代も相続を重ねた家か)によって、空き家化の進行に大きな違いがあることが明らかとなった。世代深度が4世代以上のものと、1世代の住宅は空き家になりにくいが、2世代・3世代の住宅は空き家になりやすい傾向があることがわかった。
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Research Products
(2 results)