2010 Fiscal Year Annual Research Report
離島・僻地における高齢者の地域継続居住を目指した医療・福祉の連携に関する研究
Project/Area Number |
21760476
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
境野 健太郎 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (20468060)
|
Keywords | 在宅高齢者 / 地域居住 / 医療 / 福祉 / 連携 / 離島 / 僻地 / 施設利用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、在宅療養支援診療所に認定された屋久島の自治体診療所の取り組みを通じて、不採算になりやすい僻地や過疎地にある自治体診療所の黒字運営の要因と、高齢者の地域居住の継続を可能にする医療・福祉の連携による支援体制の構築手法を検討することである。2009年度においては、診療所が立地する集落の住民の世帯構成、医療・福祉の利用状況等に関する悉皆アンケート調査を行った上で、医療・福祉施設の利用者・職員ならびに在宅高齢者を抱える世帯にインタビュー調査を実施し、地域居住を継続させる近隣環境要因を抽出するとともに福祉施設利用者の転帰状況から現状における課題について多角的に考察を進めた。具体的成果として、2010年度日本建築学会大会にて発表し、その成果を『鹿児島大学工学部研究報告』で報告した。2010年度は、施設利用者の転帰状況から把握された課題を検証するために種子島における在宅要介護認定者の施設利用について現地調査を行い、離島や僻地などの高齢・人口減少地域に住む高齢者はどのように諸医療・福祉サービスを利用し、地域での在宅居住を継続させているのかを明らかにすることを通じて、高齢者の地域継続居住を可能にする支援体制について考察を行った。同時に、1992年より医療と福祉の連携に取り組む大分県豊後大野市の事例について、現在の利用状況の把握と20年の実践過程における課題と成果を分析することで、医療・福祉の連携手法について整理した。これらの研究成果は、2011年3月に日本建築学会九州支部研究発表会にて報告した。また、2010年度は公立種子島病院の運営に関する基本データの収集を行い、2009年度に引き続き屋久島町栗生診療所の運営手法の分析を進めており、現在、自治体診療所の黒字運営の要因についてまとめているところである。
|