2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域再生に向けた新たな公の地域経営とコミュニティプランのあり方に関する実証的研究
Project/Area Number |
21760477
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
鈴木 孝男 宮城大学, 事業構想学部, 助教 (80448620)
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Keywords | コミュニティプラン / 地域自治 / 地域政策 / 新しい公共 / 地域活性化 / 農村計画 / 地域再生 / 人口減少 |
Research Abstract |
最終年度なる今年度は、東日本大震災被災地を対象に地域コミュニティ再建のための復興まちづくり計画(コミュニティプラン)のあり方について研究した。震災により地域の状況が一変したが、コミュニティプラン策定の実態を調査した一年目(H21)、プラン策定の人的支援について調査した二年目(H22)の成果を活かしていく形で、今年度の研究に望んだ。 事例調査では、中越大震災と有珠山噴火の復興を踏査し、阪神淡路大震災、奥尻島大津波については、復興に尽力した関係者を通じて情報を収集した。事例からは、復興まちづくりでは被災者の主体性形成が重要であり、さらに住民、行政、専門家等の力を結集していくためには、その戦略を示す復興まちづくり計画を策定する必要があることの示唆を得た。 こうした考えに基づいて宮城県では、被災地域のコミュニティを再構築するため「復興まちづくり推進員(以下、推進員)」を、東松島市と南三陸町に4名ずつ設置した。本研究では、復興まちづくり計画の策定をサポートする推進員の役割に注目し、その活動を追った。平成23年8月から設置された推進員の活動は、(1)離散住民(避難所・仮設住宅・自宅居住)間の絆づくり、(2)地域のニーズに基づいた交流会等の開催、(3)外部からの視察対応、外部支援者との連携、(4)地区懇談会等の自治体復興計画策定にかかる取り組み、に整理される。今後は、(1)バラバラになった従前の地域コミュニティのつながり再生、(2)復興に向けた地区別復興まちくり計画の策定支援(学習の機会提供、情報提供、話し合いの場づくり、行政とのつなぎ等)、(3)外部支援者との連携支援、の役割が想定される。 加えて、被災した地域コミュニティが自立していくためには、主体間の合意形成・協働等について、専門的な助言・ノウハウ提供を行う機能とそれを実現する「新しい公共」による後方支援体制の確立が求められている。
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Research Products
(6 results)