2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランス都市計画の政策合成・一般市街地制御・地域間調整技術による景観街づくり
Project/Area Number |
21760478
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鳥海 基樹 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 准教授 (20343395)
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Keywords | フランス / 広域行政 / 広域都市計画 / EPCI / SCOT / 大規模店舗 / 住宅政策 / コンパクト・シティ |
Research Abstract |
本年度は、フランスの都市計画関連制度の現況に関し、以下の研究を行った: (1)広域都市計画制度の問題点の把握:我国ではフランスの広域行政組織や広域都市計画制度に関する報告は多いが、前者に関してはそれが可能となるインセンティヴ、後者に関してはその問題点の把握は殆ど全くなされていない。既往研究のレヴューにより、前者に関しては職業税の共同管理による水平調整システムが広域連携の誘因となっている点、後者に関しては政治的対立から広域都市計画の範囲が実体的都市域よりも過小となりがちな点を明らかにした。 (2)広域都市計画立案機関と弱小基礎自治体の都市計画策定支援組織の調査:我国では広域都市計画や地方分権型都市計画を礼賛する一方、その立案機関や策定支援組織に関する考察が欠落している。そこで全国都市計画機構連盟(FNAU)及び全国建築・都市計画・環境助言機構連盟(FNCAUE)にヒアリングを行い、その概要を明らかにした。 (3)都市計画の補完制度の最新情報の整理:我国ではコンパクト・シティの形成に向けた都市計画制度の改正論議がかまびすしいが、例えば郊外大規模店舗の一元的規制を疑問視しない主張や、住宅政策を加味しない議論が多い。そこで、雇用や環境を理由に小売店舗を制御する商業空間整備制度や、住宅政策の都市計画への統合制度などの最新情情報を整理した。 (4)コンパクト・シティを巡る議論の検証:我国ではコンパクト・シティの形成を絶対的目標とし住宅の拡散を防止する議論が主流たが、フランスでは職住の場の距離や社会的交流の頻度を視座として、空間的凝集性が必ずしも最適解とはならないことが主張されていることを明らかにした。
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