2010 Fiscal Year Annual Research Report
空間の疲労回復性能ーリフレッシュ・アビリティを増幅させる採光方法とその指標化
Project/Area Number |
21760479
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
高柳 英明 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (70344968)
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Keywords | 建築計画 / 空間認知 / 疲労回復 / 採光方法 |
Research Abstract |
住空間においては、近年のライフスタイルの変化に対応した良好な住環境を提供すべく、住宅の外的環境との接し方、特に窓や開口・スリット等を用いた自然光の採光方法に関し、特異な形状・仕様、形態の実験的な住宅設計事例が多く見られるようになったが、これらの特異な採光方法と住空間の性能を客観的に評価しうる基準整備が急務である。本研究では、住空間の「休息効果」に関わる性能を、空間の疲労回復性能と呼び、各種の生理計測手法を駆使することによってその定量化を行うことを目的とし、自立接合式のユニットパネルにより四方壁面と天井面を有する単純形状の実験閉空間を構築し、開口部形状・箇所数・形態等を逐次変化させながら、実験空間内部の被験者にパフォーマンステストを行い、A~Cに示す3種類の生理状態の計測を実施し、この要領で執務-休憩-執務の状態変化にみられる疲労蓄積・回復度合いの推移を計測・抽出した。 A)「精神的疲労」の計測・・・フリッカー値 B)「ストレス値」の計測・・・唾液中アミラーゼの分泌量 C)「作業集中度」の計測・・・瞬目値(瞬目頻度) 実験条件は、a)床条件(材質・形状)、b)壁面条件(色・高さ)、c)開口条件(位置.形状・採光方法)、d)しつらえ条件の4つの変数条件とし、各ケース下において上記の被験者生理計測ならびに疲労回復性能の条件解析と通じてモデル構築を行った。また22年度後半では、評価モデルの数理基準値の精度検証と実データからのフィードバックを行い、これをもとに任意抽出の実際の住空間における疲労回復性能の評価のケーススタディを行った。進捗状況は交付申請時における研究実施計画に照らしおおむね順調に進んでいるといえる。
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Research Products
(2 results)