2009 Fiscal Year Annual Research Report
効果的な在宅復帰のために計画された新しい回復期リハビリテーション病院の評価・検証
Project/Area Number |
21760480
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 研 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (70311743)
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Keywords | リハビリ病院 / リハビリ病棟 / リハビリテーション / 回復期リハビリテーション / 在宅復帰 / 療養環境 |
Research Abstract |
効果的な在宅復帰を意図して、トイレ付個室の病室、病棟内リビング(12LDK)、和室の導入、食堂までの距離確保等の手法を取り入れて計画された新しい回復期リハビリテーション病院「千里リハビリテーション病院」(大阪府・箕面市)を対象に、効果の検証を意図して、患者同意書の取得のうえで、7時から19時まで12時間、調査員が患者にマンツーマンで行動調査、ライフコーダーEXの装着による歩数および運動強度の測定、ビデオ撮影を20名に実施した。 その結果、1)個室内の歩数が12時間あたりの総歩数の約10~40%を占めることから、生活行為の可能な個室の導入が一定の運動量を誘発すること、2)個人差はあるものの、廊下に設けられたセミプライベートスペースが、20名中4名において、一定時間利用されること、3)病棟内リビングは、運動よりも交流の場として利用されること、4)歩行可能な患者にとって、1日の3度の食堂までの移動が約3%~40%の歩数を占め、運動効果をもたらすこと、特に5)食堂におけるテーブル位置により、日に最大600歩程度の運動効果に差を生じている実態、6)病室から食堂までの移動動線が12時間に占める歩数の約10~30%を占めること等が明らかになった。 以上の結果は、効果的な在宅復帰と生活動作の発生を意図した空間設計が一定のリハビリ効果を生む実態を示唆する結果であり、今後、他の一般的な病棟計画の為されたリハビリ病院と比較し、より客観的なデータの裏付けをもって実証する必要性を確認した。
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