2010 Fiscal Year Annual Research Report
新調理システムを導入した病院厨房の建築・設備計画のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21760484
|
Research Institution | Hokusho University |
Principal Investigator |
石橋 達勇 北翔大学, 人間福祉学部, 准教授 (50337094)
|
Keywords | 新調理システム / 病院厨房 / 建築計画 / 設備計画 / ニュークックチル |
Research Abstract |
平成20年度に実施したアンケート調査の結果、及び給食調理業務の経験がある管理栄養士や厨房機器メーカー担当者から得た知見より抽出した、新調理システムを導入している全国の6病院に対して、ヒヤリング調査及び現地観察調査を実施し、建築・設備の整備状況とシステムの管理運営の状況の詳細を把握・評価した。 その結果、(1)一部の事例では、盛付/配膳業務も前倒しで実施するニュークックチル(以下、NCC)方式を導入していること、(2)厨房内の区域区分の方法は事例毎に異なること、(3)NCC方式の調理方法を導入している事例では、配膳された給食を収納しているカートをチルド状態で一時保管を行う場所として、部屋全体の冷蔵機能を有しているカートインチルド室を整備していること、(4)スチームコンベクションオーブンとブラストチラーの配置については調理手順や各調理担当者の動作などに応じて計画時に検討が必要であること、(5)使用頻度が低い又は本来とは異なる方法で使用されている調理用設備があること、(6)新調理システムの導入の目的は、業務の効率化による経費削減を挙げるなどの病院の経営に利点を挙げる事例と、システム導入による作業の効率化を図り、その結果発生した余剰マンパワーを病棟でのサービス向上に向けることを挙げる事例があること、等が明らかとなった。 また、院外調理を導入する為に新調理システムを導入した事例では、従来の建築・設備計画の考え方とは大きく異なり、院内の厨房の構成諸室や床面積、調理用設備を大幅に縮小していることが明らかとなった。従って、これらの事例は、システムとして別者として捉えて評価を行うことが必要と考えた。 なお、以上の研究成果の一部については、平成22年度の日本建築学会大会及び日本医療福祉設備学会で公表すると共に、平成23年度の日本建築学会大会等で公表を行う為の準備を行った。
|