2011 Fiscal Year Annual Research Report
新調理システムを導入した病院厨房の建築・設備計画のあり方に関する研究
Project/Area Number |
21760484
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Research Institution | 北翔大学 |
Principal Investigator |
石橋 達勇 北翔大学, 人間福祉学部, 准教授 (50337094)
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Keywords | 新調理システム / 病院厨房 / 建築計画 / 設備計画 |
Research Abstract |
特に病院から地域の在宅患者に対して治療食を提供していた病院事例に対して、ヒヤリング調査及び現地観察調査を追加実施し、建築・設備の整備状況とシステムの管理運営の状況の詳細を把握・評価した。 その結果、以下のこと等が明らかとなった。 (1)運営の状況:外部業者に委託し、クックサーブと真空調理法を組み合わせて主菜・副菜の調理を行っている。また配膳・消毒は、病棟で実施している。 (2)治療食提供の実施経過:約8年間弱、概ね病院を中心として自動車で20分以内の圏域に居住する1人又は2人暮らしで食事作成が困難で、治療食を必要とし、在宅での食生活に支障をきたすと思われる患者を対象に、厨房で調理した治療食を配送して提供するサービスを実施していた。途中、料金の値上げや厨房の改修によるサービス縮小を行っても利用者は減少せず、最終的には111名の在宅患者に対し、毎食約50食の供給を行っていた。 (3)サービス実施に際しての建築・設備の対応:配送中の車内の温度管理と配送に要した時間の管理を行い、専用の食器と保温機能を有した容器を使用していた。 (4)サービス中止の理由:厨房の調理業務を外部業者に全面委託するにあたり、業者より問題発生時の責任の所在が不明瞭であることを理由に業務の受託を拒まれたこと、配送を委託していたシルバー人材センター担当者の人数が減員となったこと、の2点である。 以上の結果と平成20年度で得られた研究成果の一部より、新調理システムを導入している病院は、地域の在宅患者に対する治療食等の供給源として機能する可能性を有していると考えた。但し、配送時の衛生管理と共に、配送後の実際の喫食状況の把握等の問題の解決が、同時に求められるとも思われた。 そしてこれまでの調査結果を踏まえ、最終的な研究成果として新調理システムを導入している病院厨房の建築・設備計画のあり方を検討した。
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