2011 Fiscal Year Annual Research Report
施設容量を考慮した利用者負担を最小化する広域医療計画に関する研究
Project/Area Number |
21760492
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鵜飼 孝盛 筑波大学, システム情報系, 研究員 (20453540)
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Keywords | 都市計画 / 施設配置 |
Research Abstract |
近年問題となっている,医療費・社会保障費の増加に対し,医療にかかる費用や医師・医療従事者の数は一朝一夕に増やすこともできず,また無制限に増加させることは不可能であることなどから,これらの資源を効率的に運用することが望まれる.限られた予算,人員の制約の下では,多くの資源を集中的に運用することにより,サービス自体は効果的に提供されることになるが,医療サービスを享受する住民側の視点からは,サービスを提供する施設までの移動距離が長くなるという負担を負うこととなる。殊に救急医療においては搬送時間の増加は救命率などに大きく影響を及ぼすことになる.本研究では,このような医療サービスの効率と利用者の負担とのトレードオフに注目した上で,限られたリソースの適切な配分,最適な医療施設の設置,医療施設への機能の割り当てなどを策定することを目的とする. 前年度までの数理モデルをベースとして,現実の都市・地域を対象として計算機上でシミュレーションを行った.具体的には,神奈川県の湘南西部地域を対象として分析を行った.医療サービスを受ける顧客のデータとしては,傷病名(DPC)別の統計データによる患者数を,サービスを提供するサーバとしては,(急性期)病院の総病床数や医師数を用いた.利用者は出来るだけ近くにある施設を利用しようとするが,それらの施設が他の利用者により利用されており,順次遠くの施設を利用するといった仮定の下で,サービスを受ける施設までの距離によりその負担を計測した.さらに,同様のデータに基づき,サーバとなる病床数や医師数の再配分や,施設自体の再配置により,前述の利用者の負担がどのように変化するかを調べた.
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