2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市内団地の空住戸活用による居住地密着型の高齢者支援モデルに関する研究
Project/Area Number |
21760496
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Research Institution | Hyogo Assistive Technology Research and Design Institute |
Principal Investigator |
室崎 千重 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, 研究第一グループ, 特別研究員 (60426541)
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Keywords | 地域計画 / 高齢者 / 生活支援 / 公営住宅 / 居住地密着 |
Research Abstract |
平成22年度は、平成21年度に調査を行った行政主導型の公営住宅の空住戸を活用した神戸市の「高齢者自立支援ひろば事業」(あんしんすこやかルーム)9拠点の中から、地域特性の異なる2拠点(既成市街地とNT)を選定し、全住民へのアンケート調査を実施した。加えて、拠点の効果や意義について考察するために、上記拠点から近い市営住宅をそれぞれ1箇所選定し、全住民へのアンケート調査を実施した。神戸市が開設している全拠点のスタッフに対して、常駐したことによる効果を人との繋がりに着目したアンケート調査を実施した。新規に開設した空き住戸活用の拠点へは、使い方調査、参加住民への聞き取り、スタッフへの聞き取り調査を実施した。 結果として、(1)拠点にスタッフが常駐したことにより、スタッフと住民および住民同士にも新たな関係が生まれていること、(2)訪問だけでは発見できなかった見守り対象者が発見できること、(3)拠点へ立ち寄る高齢者は限定されてきており、新たな人が参加しにくい状況があること、(4)敷居が低く気軽に訪れやすい、体力がなくても近いので訪問可能、いつでも行けるなど、住民の安心感に繋がること(5)拠点の存在を評価する住民がいる一方で、無関心やあまりよく感じていない住民の存在も明らかになり関係づくりにはさらに時間が必要であること、が捉えられた。 超高齢社会において地域も巻き込みながら高齢者の自宅での居住継続を支える支援策は国や県などの行政単位での取り組みが始まりつつあり、本調査での知見は今後施策を有効に進めるための効果、課題把握ができたことに意義がある。
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