2010 Fiscal Year Annual Research Report
中世アルメニア正教教会堂建築における壁面装飾意匠に関する研究
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21760500
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 康仁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (00436718)
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Keywords | 中世 / 歴史的建築物 / キリスト教 / アルメニア / 建築技術 / 装飾 / 意匠 |
Research Abstract |
■研究対象地域であるアルメニア共和国において、キリスト教建築遺構の調査ならびに現地研究協力者との研究・調査打ち合わせ及び調査許可関係の調整を実施した。特に、軍事緩衝地域にあるバガランの遺構については、来年度に調査を行う方向で調整し、また、次年度以降の研究協力及び調査許可に関しても、アルメニア共和国文化省と現地研究者の協力を得ることで合意を得た。 ■アルメニア共和国における調査では、タテヴ修道院の他、バレカマヴァン、アフディ、アラガツなど初期の遺構について実地調査を行った。各遺構における作業内容としては、とくに壁面装飾をはじめとする細部装飾意匠と、建築構法を考察するための石積みのしかたについて写真撮影を行うのと同時に、遺構の現状の確認を行った。上記の現地調査から得られた写真データに基づき、アルメニア共和国のキリスト教建築遺構における壁面装飾の整理を、遺構ごとに整理を進めた。来年度遺構も、初期(4-7世紀)の遺構の一部及び中後期の遺構における壁面装飾の情報採取を引き続き行うこととした。なお、上記の調査成果の一部は、2010年度日本建築学会関東支部研究報告集等に報告されている。 ■イタリア共和国ミラノ及びヴェネツィアに所在するアルメニア文化研究センターに赴き、関連資料の渉猟及び複写などを行うと同時に、現地研究者との研究交流を図った。 ■フランス共和国プロヴァンス大学にて、アルメニア及びグルジアの建築・美術に関連する研究発表会に出席し、招待講演として当該研究に関連する研究発表を行い、現地研究者等との研究交流を図った。
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