2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本山岳建築史の構築に向けた日本アルプスの山小屋建築に関する調査研究
Project/Area Number |
21760501
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
梅干野 成央 信州大学, 工学部, 助教 (70377646)
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Keywords | 山岳建築 / 山小屋 / 日本アルプス / 近代登山 / 建築史 |
Research Abstract |
本研究の目的は、山岳に固有な建築文化の歴史的文脈を明らかにし、我が国における山岳建築史の礎を築くことにある。この目的を達成するため、本研究では、以下2点の内容を具体的に把握する。 《研究内容1》日本アルプスの山小屋建築に関する調査研究 《研究内容2》日本山岳建築の通史的研究 平成22年度に実施した研究内容は、以下の通りである。 《研究内容1》:日本アルプスの山小屋について、築後50年が経過しているものについては、詳細調査(配置図・平面図・立面図・断面図・痕跡図を作成)を行い、築後50年が経過していないものについては、簡易調査(配置図・間取り図・簡易的な断面図を作成)を行った。これらの調査は、広範囲に及ぶため、近代登山の中心地である北アルプスの槍・穂高地域の山小屋について重点的に進めることとし、その他の山小屋については、歴史的に重要なものを優先して進めることとした。平成22年度に詳細調査を終えた山小屋は、中房温泉、岩菅山避難小屋、焼岳小屋、餓鬼岳小屋、燕山荘、大天荘、ヒュッテ西岳、槍ヶ岳殺生ヒュッテ、フカスの岩小屋、洞沢小屋、の計10軒である。 《研究内容2》:ウォルター・ウェストンの槍ヶ岳山行経路に開設された山小屋(岩魚留小屋・徳本峠小屋・嘉門次小屋など)を事例として、山岳を生活の場としていた人々の小屋との関係を土地と建物に即して考察した。その結果、近代登山の普及以前から山岳にたてられていた小屋の土地と建物、および、それに関する経験的知識を礎として山小屋が開設されたことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)