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2011 Fiscal Year Annual Research Report

近世内裏の生活空間と儀式空間に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21760507
Research InstitutionHeian Jogakuin(St.Agnes')University

Principal Investigator

栗本 康代  平安女学院大学, 国際観光学部, 講師 (20410954)

Keywords内裏 / 寛政度造営 / 造内裏御指図御用記 / 復古紫宸殿 / 常御殿 / 設計過程
Research Abstract

本研究は、寛政2年(1790)に竣工した寛政度内裏の造営日記である「造内裏御指図御用記」(宮内庁書陵部蔵)に基づいてその設計過程を検討し、文献と指図・絵図を分析することにより、寛政度内裏を中心に、近世内裏の空間的特質を生活と儀式の視点から明らかにすることを目的としている。本年度の研究は、京都御所において建物遺構を調査し、日記類の記述と照合した。また、最終年度に当たるため、これまでに収集した資料の最終確認と分析、考察に力点を置き、論文を発表した。資料については、本研究の基礎史料である「造内裏御指図御用記」を丹念に読み解き、考証を加えた。論文では、寛政度内裏の儀式空間である紫宸殿の屋根の設計過程と、天皇の居住空間である常御殿の設計過程を明らかにした。すなわち、平安宮内裏に準じた復古様式で建てられた紫宸殿の設計は、天明8年(1788)5月17日~寛政元年(1789)4月1日までの期間に行われた。当初、棟梁・岡嶋上野大掾は、入母屋屋根の四隅を切り欠き、階隠(隅庇)を設ける提案をしたが、公家は絵巻に見られるような古代の屋根形態を提案した。岡嶋の後任の木子播磨大掾は、禁裏では用いられることが無かった組物を採用し、屋根の厚さによって四隅に段差を設けることで古代の屋根形態のイメージを残した設計を行ったことで、復古紫宸殿の屋根は江戸時代の技術による江戸時代の意匠となったことを実証できた。また、天皇の居住空間である常御殿は、天明8年6月18日から屋根周りの設計が始められ、その後平面、床高、寝室と居室の断熱や防音などを考慮した二重床・二重天井などが検討された。室内意匠は、寛政元年3月20日に障屏画の絵の仕立が示され、寛政2年8月10日に下絵が決定した。障屏画は公的で最も格の高い室には伝統を維持しつつ、天皇の居室には新しい画風や技法が採用されたことを明らかにすることができた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] 寛政度内裏における常御殿の設計2012

    • Author(s)
      栗本康代・植松清志・岩間香・谷直樹
    • Journal Title

      生活科学研究誌

      Volume: Vol.10 Pages: 73-83

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 復古紫宸殿における屋根の設計寛政度内裏に関する研究(4)2011

    • Author(s)
      栗本康代・植松清志・岩間香・谷直樹
    • Journal Title

      日本建築学会計画系論文集

      Volume: 第76巻 Pages: 2183-2190

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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