2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本統治時代台湾における環境イメージの変容に関する研究
Project/Area Number |
21760508
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
足立 崇 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (80309179)
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Keywords | 台湾 / 日本統治時代 / 紅頭嶼 / 写真 / 写真帖 / 絵葉書 / 環境イメージ |
Research Abstract |
平成22年度は、台湾の戦前絵葉書や写真、写真帖などの資料収集と資料解読、分析に多くの時間が割かれた。 4月から8月にかけては、これまで収集してきた資料の解読と整理を行った。 9月には、伊能家から遠野市立博物館に寄託されている伊能嘉矩所蔵台湾関係資料の閲覧、写真撮影調査を行った。伊能嘉矩は、日本統治時代初期に台湾総督府の雇員として台湾の歴史、文化について調査し、多くの業績を残した人物である。ここでは主に台湾原住民関係の資料について調査したが、とくにヤミの生活する紅頭嶼(現:蘭嶼)の写真資料については、その史料的価値の高さを確認することが出来た。 10月は、『台湾ヤミの住まいの建築論』を出版し、その中で日本統治時代におけるヤミの生活環境の変容についても論じた。 11月は、防衛省防衛研究所において、日本統治時代台湾に関する公文書や写真帖を閲覧調査した。ここでも当時の状況を知りうる新たな資料を入手することが出来た。 3月には、第27回建築論研究会で台湾ヤミの住まいに関する建築論的研究の概要について発表するとともに、日本統治時代初期の公文書や写真を提示しながら、これまであまり知られることのなかった紅頭嶼の状況について発表した。とくに1897年3月の紅頭嶼調査で撮影された写真の内容や撮影した人物、撮影の経緯について新資料をまじえながら詳しく論じた。また、1903年10月のベンジャミン・セオール号事件の内容と背景、外国との関係のなかで警察派出所が建てられるようになった経緯についても、新資料をまじえて論じた。
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Research Products
(2 results)