2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本統治時代台湾における環境イメージの変容に関する研究
Project/Area Number |
21760508
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
足立 崇 大阪産業大学, 工学部, 准教授 (80309179)
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Keywords | 台湾 / 日本統治時代 / 紅頭嶼 / 写真 / 写真帖 |
Research Abstract |
平成23年度は、日本統治時代台湾において原住民族ヤミの生活環境に大きな影響を与えたベンジャミシ・セオール号事件に焦点を当て、日米の文献資料、画像資料からその経過を明らかにした。また、1897年3月に行われた最初の紅頭嶼(現:蘭嶼)調査の写真について分析し、その内容を明らかにした。 5月は、『モダニティと空間の物語-社会学のフロンティア-』東信堂が出版された。その中で「第3章住まうことの場所論」を担当執筆し、ヤミの生活環境を住まう場所の動態から明らかにすることの意味ついて論じた。10月は、1903年10月に紅頭嶼で起こったベンジャミン・セオール号事件について、日米の資料をもとにその経過を時間軸に沿って表に示し詳細に明らかにした。これについては、『大阪産業大学論集 人文・社会科学編』14号に発表した。また、続編についてもその後執筆し、すでに投稿しており、『大阪産業大学論集人文・社会科学編』15号に掲載される予定である。これにより、日本統治時代のヤミの生活環境が日米の関係の中でどのように影響を受けたかが明らかとなった。また、1897年3月に行われた最初の紅頭嶼調査の写真について、その所在を明らかにし、画像内容から調査との関係、撮影場所、写っている人物の特定を行い、紅頭喚調査の内容、写真の役割を具体的に分析し明らかにした。また、日本統治時代台湾において、原住民族建築を広範に調査した千々岩助太郎に着目し、その原住民族建築研究の意味を明らかにするため、千々岩の残した図面や写真などを分析するともに、千々岩がそこに何を見ていたのかを千々岩の著述や当時の建築研究者との関係などをとおして分析した。3月は、『フィールドに出かけよう!住まいと暮らしのフィールドワーク』風響社が出版された。その中で、「第5章住まうことを求めて-台湾蘭嶼、ヤミの住まい」を担当執筆し、建築調査における実測図面や写真の意味について言及した。
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Research Products
(3 results)