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2009 Fiscal Year Annual Research Report

古代末から初期中世に至る教会堂建築の空間的展開-周歩廊の形成とその意味-

Research Project

Project/Area Number 21760509
Research InstitutionKobe Shukugawa Gakuin University

Principal Investigator

高根沢 均  Kobe Shukugawa Gakuin University, 観光文化学部, 講師 (10454779)

Keywords集中形式 / 周歩廊 / 再利用材 / 初期中世キリスト教建築 / 空間の機能
Research Abstract

サンタ・マリア・マッジョーレ洗礼堂の再利用材調査から以下の特徴が確認された。
1、 身廊と周歩廊を区画する15組30本の二連環状列柱の柱身は、石材の種類と色調を基準にアプシスから対称に配置されているが、アプシス北側から5番目の柱で対称性が崩されている。
2、 柱頭は基本的にコリント式だが、アプシスから時計回りで6・11・12番目の身廊側にのみキリスト教的象徴性をもつイルカの柱頭が使用されている。これは例外的な意匠であり、仕上げの水準も非常に高い。またサンタンジェロ聖堂でも以下の特徴が確認された。
1、 身廊と周歩廊を区画する16本の環状列柱の柱身には、白色系の石材と暗色系の石材が2本ずつ身廊を挟んで対称に使用されている。白色系石材はアプシス(東西方向)と入口(南北方向)に対応している。暗色系石材のうち6本は黒大理石だが、南西に位置する2本の柱身のみ大きく緑色の縞が波打つチポッリーノが使用されている。
2、 柱頭はほぼすべてがコリント式であるが、南西の柱頭のみコンポジット式が一つ使用されている。
通常、初期中世の教会堂の再利用材は、対称性を重視し空間の機能や意味を視覚的に示すように配置される。この原則は上記会堂においても基本的に守られているが、柱身と柱頭の例外的な部材はアプシス及び主入口からの軸線とも対応しない不規則な位置にある。また、アプシスに向かう軸線に対して約120~150度ほど振れた位置に例外的な部材が配置されている点でも共通している。この位置関係は、サン・ヴィターレ聖堂(6世紀初頭)におけるアプシス軸線に対する入口軸線の傾きと同様であり、6世紀の集中式会堂における身廊と周歩廊の関係を考察する上で注目される。
また上部架構および壁面に関しては、高精細画像をもとに三次元写真画像解析ソフトによる解析を進めている。トータルステーションによる測量は次年度の調査許可を申請している。

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Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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