2009 Fiscal Year Annual Research Report
中世日本と中国における木造建築の架構システムに関する比較研究
Project/Area Number |
21760513
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
鈴木 智大 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 都城発掘調査部, 研究員 (60534691)
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Keywords | 東アジア / 交流 / 宋 / 遼 / 金 / 元 / 梁 / 桁 |
Research Abstract |
本研究は、東アジアの視野に立ち、歴史的木造建築の構造システム論の創成へ向け、東アジア各国・各地域における木造建築について、技術的・空間的側面から総合的に比較する研究構想の一環として実施するものである。中世日本と同時代の中国における木造建築について、その基礎的な情報および論考を集積・把握し、その架構システムについて比較検討をおこなうことで、研究の全体構想の根幹を構築することを目的とするものである。 本研究の初年度となる平成21年度では、基礎資料となる実測図面の収集につとめた。日本の図面については、修理工事報告書および文化庁所蔵実測図などから抽出、整理した上で、架構の形式による類型的な把握を試みた。 中国の図面についても、学術雑誌および書籍から実測図面を抽出した。またその上で、既往研究において、中世日本の建築との共通性が指摘されている福建省の古建築(福州華林寺大殿、〓田玄妙観三清殿、羅源陳太尉宮など)を調査し、図面との整合性の確認をおこなった。 日本と比較して修理工事報告の少ない中国の建築については現地調査により得られる情報の重要性が非常に高い。その点において、基礎的資料をえて、次年度以降の比較検討材料を得るという初年度の目標を達成できた。 次年度以降も、ひきつづき資料収集を重ね、現地調査をおこなうとともに、比較研究を進めることで、本研究の目的である木造建築の架構システム論の構築をおこなう。
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