2009 Fiscal Year Annual Research Report
Co_3X型GCP相とCo_2X型ラーベス相の金属間化合物相安定性に関する研究
Project/Area Number |
21760514
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60451530)
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Keywords | 金属間化合物 / GCP相 / ラーベス相 / 相安定性 / 相平衡 / 状態図 / Co合金 |
Research Abstract |
Co系合金にはNi系と比べてGCP(Geometrically Close Packing)相の存在は少ないが、最近、3元化合物でL1_2相が出現することがわかってきた。本研究はCoと3B族、4B族、4A族、5A族、6A族の組み合わせの3元系合金におけるCo_3X型GCP相及びCo_2Xで表されるラーベス相を中心とした金属間化合物の相安定性の実験とそれに基づく解析を行うことを目的とする。 Co-Ta2元系は準安定γ'相が存在し、安定相として複数のラーベス相が出現する。しかし、状態図は不確かな点が残されており、相平衡を拡散対法、合金法、DSCにより実験的に決定した。従来の相境界線を修正し、C36,C15を含む正確な状態図を決定できた。さらに、Co-Ta-W、Co-Ta-Mo、Co-Al-Ta,Co-Ga-Wの各3元系状態図を実験的に決定した。Co-Ta-W,Co-Ta-Mo系は類似した状態図の形をしており、高温ではγ、μ、C36相が平衡し、低温になるにつれχ、Co_7Ta_2相などが平衡相として出現していた。これらの金属間化合物はお互いにある程度の固溶度を持っていた。また、これらCo-Ta及びCo-Ta-X系ではγ'相が観察されたが、いずれも準安定相であり、その安定性を実験的に評価した。さらに、Co-Ga-W系では、γ、χ、μ、β相間の平衡を決定できた。加えて、Co_3(Ga,W)で表わすことのできるL1_2構造のγ'相を見出し、その組成を決定した。このγ'相は900℃では準安定相であったが、800℃では安定相としての可能性が示唆された。この3元系においてL1_2相が安定化された現象は周期律表から考えてCo_3(Al,W)と同様と考えられる。以上のように、Co基におけるL1_2相やDO_<19>相などのGCP相やラーベス相を含む相安定性についての実験的な知見が得られた。
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