2010 Fiscal Year Annual Research Report
高温において高硬度特性を示す金属多ホウ化物の階層的機構解明
Project/Area Number |
21760515
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐原 亮二 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30323075)
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Keywords | 第一原理計算 / 弾性特性 |
Research Abstract |
金属元素を有するホウ化物は、ホウ素B/金属Mの組成比に依存してホウ素の結合様式が様々に変化することが知られている。組成比が12以上の多ホウ化物では、主にホウ素12個からなるB_<12>正二十面体クラスターが強固に結合して結晶構造の骨格を作り、金属はこの骨格の隙間に入ることが知られている。多ホウ化物では金属類と組成により多様に構造が変化し、それに依存して高硬度性のみならず超伝導特性、磁気特性等、様々な興味深い物性が発現する。しかし、その統一的な描像は実験からは未知なままである。 本研究により、多ホウ化物は、ホウ素同士が作る強固な骨格に金属元素から電荷移動が起こり、より強固な共有結合を有する炭素のように振る舞うことが高硬度の一因であることが本研究で明らかになった。また、本研究では該系のホウ素濃度、金属元素種を系統的に変化させ、系の安定性をはじめ、弾塑性特性、電子状態間の関係を電子密度・原子半径・共有結合-イオン結合度の関数として求めた。 さらに、より高精度で第一原理計算をおこなうために、申請者が所属する研究室で独自に開発した全電子混合基底法に基づく第一原理計算プログラムTOMBOの機能追加および高速化についての検討を行った。本プログラムはホウ素などの軽元素の大規模計算に対して特に有効であり、今後の研究の展開に非常に有効であることが分かった。
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Research Products
(2 results)