2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760519
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒崎 健 Osaka University, 工学研究科, 准教授 (90304021)
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Keywords | 熱電変換 / 熱電発電 / ナノ材料 / エネルギー / 金属物性 |
Research Abstract |
熱電材料の性能向上において、今最も注目されていることは、材料のナノ構造化(低次元化)である。材料をナノ構造化することで生じる量子サイズ効果により、ゼーベック係数の増大と格子熱伝導率の低減が同時に起こり、熱電性能が大幅に向上することが予測されている。本研究では、我々のグループが独自に発見した「材料中に自然にナノ構造が生じるGa_2Te_3」について、そのナノ構造と熱電特性の相関を詳細に研究することで、Ga_2Te_3をベースとした物質群で高性能バルク熱電材料を開発することを目的とした。 この目的を達成するために、以下の二つの研究を実施し、それぞれ以下に記す成果を得た。 (1) 自然ナノ構造を有するGa_2Te_3関連物質の作製と局所構造観察 多結晶体のGa_2Te_3関連物質を作製し、高分解能透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた局所構造観察を実施した。作製した試料について、様々な条件下で熱処理を施すことで、熱処理条件とナノ構造の相関を研究した。TEM観察結果とX線回折測定等の分析結果をあわせることで、Ga_2Te_3における原子・ナノスケールでの空孔分布状態を評価した。 (2) ナノ構造を自在に制御する技術の確立 Ga_2Te_3作製時の熱処理条件(溶融温度、時間、降温速度等)を変化させたり、Ga_2Te_3とIn_2Te_3を固溶体化したりすることで、ナノ構造の制御を試みた。観察されたナノ構造と作製条件との相関を整理することで、所望の構造を作製する技術(ナノ構造を自在に制御する技術)を確立した。
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Research Products
(5 results)