2011 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノ粒子を分散させた炭素系新規半導体薄膜の創製と応用
Project/Area Number |
21760523
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中澤 日出樹 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90344613)
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Keywords | 電子・電気材料 / ナノ材料 / 半導体物性 / 光物性 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、ワイドギャップ半導体であるダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜中にシリコン(Si)ナノ粒子を分散させた新規3次元ナノ構造を開発し、これを用いた電流注入による次世代の環境調和型光デバイスを創製することである。DLCはsp^3結合炭素を主成分とする機械的強度および化学的安定性に優れた非晶質炭素膜であり、最大4eV程度のバンドギャップをもつ半導体材料である。本研究では、発光波長の精密制御のためにプラズマ化学気相成長法を用いて粒径が精度よく制御されたSiナノ粒子をカーボン薄膜中に高密度に集積化し、その発光特性を明らかにすることを目的とする。 本研究は、(1)Si微粒子のサイズおよび構造制御法の開発、(2)Si微粒子のカーボン薄膜への分散技術の開発、および(3)炭素系薄膜の電気・光学特性の評価-からなる。平成23年度は研究課題(1)、(2)を中心に実施し、(3)についても評価を実施した。微粒子含有薄膜の作製には、モノメチルシランなどの有機シランおよびメタン、希釈ガスにはアルゴンを用いた。有機シランを導入したときおよび基板負バイアスを印加したときのみ球状微粒子が形成されることを確認している。微粒子のサイズ、密度の成膜パラメーター依存性について詳細に調べた結果、以下のことがわかった。基板負バイアスをパルス化することにより微粒子サイズが減少するが密度も減少する。そこで、有機シランを連続供給から間欠供給に変更した結果、微粒子サイズが大幅に減少することがわかった。さらには、間欠供給の周波数やデューティー比によりサイズおよび密度が制御可能であることを見出した。また、DLC膜への不純物添加により電気抵抗率を変化させることに成功した。本研究により、無害な半導体材料を利用した次世代型光デバイスを創出するための新規プロセス技術に関する重要な知見を得た。
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Research Products
(14 results)