2009 Fiscal Year Annual Research Report
精密温度制御を用いた共晶複合セラミックスの組織制御による高温極限環境用材料の創製
Project/Area Number |
21760525
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀田 幹則 Osaka University, 接合科学研究所, 特任研究員 (30431604)
|
Keywords | ホウ化ジルコニウム / 炭化ケイ素 / 共晶 / 複合セラミックス / 焼結 / ラメラ組織 / 緻密化 / アーク溶解 |
Research Abstract |
本研究では、ラメラ組織を有する非酸化物共晶セラミックス粉末を用いて、焼結助剤無添加で難焼結性物質同士を焼結させ、高純度で、高硬度、高耐熱性、高耐食性を有する緻密な共晶複合セラミックスの創製を行い、その粉末焼結法による精密温度制御を駆使したラメラ組織と三次元構造の制御を施すことによって、高強度化と高靭性化を同時に達成させることで、過酷な極限環境に耐えうる超高温セラミックス材料の創製を目的とする。 今年度は、ZrB_2-SiC二元共晶系において、1. ZrB_2とα-SiC粉末における種々の組成比での混合粉末を原料として焼結を行い、ZrB_2-SiC複合セラミックスの緻密化や微細組織を解析した。さらに、2. アーク溶解炉を用いて、ZrB_2-SiC共晶粉末を作製し、これを原料として焼結を行い、ZrB_2-SiC共晶複合セラミックスの緻密化挙動を解析した。その研究成果を以下に示す。 1. 60 mass%までのSiCの添加は、ZrB_2-SiC複合セラミックスの緻密化を促進させることがわかった。微細組織に関しては、溶融前ではZrB_2とα-SiCの等軸状粒子が観察された。溶融直後ではZrB_2とα-SiC粒子が柱状化し始め、さらに温度を増加させると共晶組織に類似したZrB_2とα-SiCからなるラメラ組織が形成することを明らかとした。 2. アーク溶解法によってラメラ組織を有するZrB_2-SiC共晶粉末を作製し、これを原料として焼結を行うことで、混合粉末よりも低温で緻密化が達成するとともに、より低温で溶融することが分かった。
|