2009 Fiscal Year Annual Research Report
中分子量尿毒素蛋白質を特異的に除去するメソポーラスシリカの開発
Project/Area Number |
21760527
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
干川 康人 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (90527839)
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Keywords | ナノ材料 / 生体材料 |
Research Abstract |
本研究では、中分子量尿毒素蛋白質を選択的かつ効果的に除去するための材料として、ナノオーダーで構築されたメソポーラスシリカナノ粒子(MSNs)の集合体を作製することを目的としている。粒径が均一で、メソ孔径を自在に拡大可能なメソポーラスシリカナノ粒子を得ることは、尿毒素物質を効果的に吸着するサイトを設計する上で大変重要となる。そこで本年度では、粒子径及びメソ構造が維持したままMSNsのメソ孔拡大を試みた。 塩基性水溶液中でトリメチルベンゼン(TMB)を加えることによって界面活性剤の鋳型部分は拡大し、最終的にメソ孔が2.5nmから5.0nm以上に拡大したMSNsを得ることに成功した。TMBなどを添加することでメソポーラスシリカの細孔径を拡大する場合、その規則構造の維持と元の粒子形状を維持ことは困難であるが、本手法において作製されたMSNsの粒子形状及びメソ構造は、拡大前と同じように維持されていた。これは、合成時に添加したエチレングリコールによる粒子を球状に形成する効果と、MSNsにハイブリッド化されたアミノプロピルシリル基によるシリカ-界面活性剤鋳型構造の安定化によるものと推察された。 MSNsは、回収時に粒子同士が凝集してしまうため、ナノ粒子として集合体を構築するのが困難であった。そこで塩基性水溶液中で合成された前駆体ナノ粒子を、ヘキサメチルジシロキサンと直接反応させることで、粒子分散性の高いMSNsを得ることに成功した。このMSNsは高い安定性とアルコール系水溶液に高い分散性を有していた。このようなナノ粒子として単分散可能なMSNsを得ることにより、尿毒素除去材料を目的とした、表面有機修飾による機能化や粒子同士の規則的な集積化を進めることが可能になった。 以上の成果から、本年度の目標であるメソ孔径を制御したハイブリッドナノ粒子の合成は達成された。
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[Journal Article] Enhancement of Corrosion Resistance of Titanium-Copper Based Metallic Glass by Methylsiloxane Coating2009
Author(s)
Yasuto Hoshikawa, Eiichi Yasuda, Takashi Akatsu, Toru Onoda, Naota Sugiyama, Nobuhiro Matsushita, Takamasa Onoki, Masaru Akao, Yasuhiro Tanabe, Masahiro Yoshimura, Shengli Zhu, Xinmin Wang, Akihisa Inoue
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Journal Title
Materials Transactions 50
Pages: 52-58
Peer Reviewed
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