2009 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスナノ粒子の自己集積化による機能性ナノ結晶バルク構造体の創製
Project/Area Number |
21760533
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 和好 Osaka University, 接合科学研究所, 助教 (40437299)
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Keywords | セラミックス / ナノ結晶 / 自己組織化 / エネルギー / 環境 |
Research Abstract |
機能性ナノ結晶バルク構造体の作製には、単分散性に優れたセラミックスナノ粒子の合成が大前提である。そこで、まず、無機錯体水溶液の合成とその水熱処理によるセラミックスナノ粒子の合成を試み、本手法により、Y_<0.15>Zr_<0.85>O_<1.93>, ZrO_2, TiO_2, SnO_2, CeO_2, Nb_2O_5等様々な単分散セラミックスナノ粒子の合成に成功した。また、材料の機能はその結晶構造や結晶面に強く依存するため、これらの精密な制御は高機能バルク結晶を作製する上で不可欠な技術であると考え、処理条件の制御によるナノ結晶の結晶構造や形状の制御を試みた。その結果、処理温度、処理時間および金属イオンや表面修飾剤の濃度の制御によりこれらが実現可能であることを見出し、例えば、N(CH_3)_4^+を用いた表面修飾の有無による単斜晶および正方晶ジルコニアナノ結晶の選択成長に世界で初めて成功した(K.Sato et al., J.Am.Chem.Soc., in press)。また、酸化スズナノキューブおよび酸化チタンナノリボンの合成等、粒子の形状制御にも成功した。 さらに、ナノ結晶の用途開拓を進め、ナノ結晶を用いた新規共沈法を開発し、これにより合成した(La_<0.85>Sr_<0.15>)_<0.98>MnO_3/Y_<0.15>Zr_<0.85>O_<1.93>複合ナノ粒子を用いて、固体酸化物燃料電池カソード電極のナノ構造化に成功し、本電極が既往のカソードを凌駕する高い電気化学特性を有するだけでなく、優れた長期安定性を示すことを実証した(K.Sato et al., J.Ceram.Soc., 117(2009), 1186-1190, K.Sato et al., J.Power Sources, in press)。
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