2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルミナ-ITO-チタニア系膜の電気化学的合成と光触媒特性の評価
Project/Area Number |
21760535
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松永 直樹 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (40405543)
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Keywords | セラミックス / 光吸収材料 / 光分解特性 |
Research Abstract |
前年度、0.1mol/lのAlCl_3,InCl_3,SnCl_4およびTiCl_4を10V/cmの直流電場で電析し、ITOガラス基板上へ直接、酸化物の成膜を試みた。その結果、アモルファスまたはIn_2O_3膜の成膜ができた。本年度は調製過程と光化学特性を詳しく調査した。ITOガラス(カソード)と炭素板(アノード)間の電流密度は電析後約2hで10mA/cm^2から10^<-5>-10^<-4>mA/cm^2オーダーに減少した。XRD回折パターンより、ITOガラス上にはIn_2O_3またはAl_2O_3が一部結晶化した非晶質相が同定された。すなわち、導電性のない酸化物または非晶質がITOガラス上に形成し、電流密度を低下させることがわかった。また、FE-SEMによる微構造観察から、電析は最初のITO層の厚み(434nm)を減少させ、108-145nmのITOを含む新たな層を形成することがわかった。HCl電解液による電析でITOガラスのIn_2O_3とSnO_2成分が溶解-再析出することが判明した。一方、AlCl_3,InCl_3,SnCl_4およびTiCl_4を電解液として使用した場合、Al^<3+>,In^<3+>,Sn^<4+>およびTi^<4+>の各イオンが水酸化物または酸化物として析出することがわかった。これらの結果はEPMA元素分析の結果と一致している。ITOガラスの反射率は波長250-320nmで0.6-0.8%、360-700nmで2%とほとんど透過した。一方、析出層の反射率は300-700nmの波長で2-5%を示した。ただし、一番反射率が高い(AlCl_3+InCl_3+SnCl_4+TiCl_4)混合電解液からの析出層とPt線間の光電流は波長300-700nmでほとんど変化しなかった。一方、強誘電体であるBaTiO_3焼結体の光吸収率を測定した。波長200-800nmで反射率は10-20%であった。ITOガラス上の薄膜より反射率は高いがTiO_2と比較して約4倍長く光を閉じ込められることがわかった。また、光電流も検出されることがわかった。
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Research Products
(2 results)