2011 Fiscal Year Annual Research Report
アルミナ-ITO-チタニア系膜の電気化学的合成と光触媒特性の評価
Project/Area Number |
21760535
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松永 直樹 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 助教 (40405543)
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Keywords | 光吸収材料 / 光分解特性 / センシング機能 |
Research Abstract |
スズ添加酸化インジュウム固溶体(ITO)ガラスへの酸化物膜の積層を試みた。塩化チタン(TiCl_4)水溶液中での直流および交流電析の結果、XPSによりITOガラスへのチタニア(TiO_2)の生成が確認された。塩化スズ(SnCl_4)または塩化インジュウム水溶液中での電析の場合、酸化インジュウムまたは非晶質酸化物の析出が確認され、交流では多孔質膜、直流では緻密膜が合成されることがわかった。析出膜を作動温度300℃で雰囲気を空気から水素ガス-空気の混合ガスに変化させると、抵抗値が変化するセンシング機能を有していることがわかった。ただし、照射波長を暗室、波長300,500,700nmと変化させても照射光による増感作用はほとんど見られなかった。 一方、TiO_2より4倍長い時間、光を閉じ込められるチタン酸バリウム(BaTiO_3)は、白金(Pt)を担持させて焼結することで、波長320nm以上で反射率が10-20%へ大幅に低下した。使用履歴のないPt-BaTiO_3焼結体は酸性水溶液中での波長300,500,700nmの光照射によりPt対電極との間に光電流値の増加が見られた。ただし、使用時間や回数の増加にともなって試料の劣化が見られ、再現性を得ることが困難であった。また、塩基性水溶液では試料の劣化は抑えられるが、光触媒活性を得ることができなかった。 酸化セリウム(CeO_2)及びガドリニウム固溶セリア(GDC)を硝酸塩水溶液の電解で得た。CeO_2はpHや電解液量を増加させることで収率が増加し、表面積の増加(電流密度の減少)は粒径減少と薄膜形成に効果的であった。電場の大きさは収率と粒径にほとんど影響を示さなかった。一方、GDC粉体は直流よりも交流で得られ易く、温度とpHの増加に伴って収率と粒径の増加を示した。グリシンの添加はナノメータサイズの微粒子を高収率で得るのに効果的であった。
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Research Products
(4 results)