2009 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁高熱伝導性能を備えた放熱ポリマー複合材料のための新規ナノフィラーの開発
Project/Area Number |
21760536
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
ZHI ChunYi National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (50469764)
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Keywords | 複合材料 / 窒化ホウ素ナノチューブ / 高い熱伝導率 / 絶縁性材料 / 表面機能化 |
Research Abstract |
フィルタリングによる吸収方法を開発し、高い割合で窒化ホウ素ナノチューブを含有する窒化ホウ素ナノチューブ・ポリマーの複合体を合成した。その結果、合成した複合体中の窒化ホウ素ナノチューブの割合を20wt.%~30wt.%にすることができ、また複合体の熱伝導率が純粋なポリマーの熱伝導率と比べ20倍程向上した。さらに、低い熱膨張率、高いブレークオーバー電圧と優れた機械的性質を備えていることが明らかとなった。 また窒化ホウ素ナノチューブの表面機能化のための新しい(有効な)方法を開発した。窒化ホウ素ナノチューブのBサイトを酸化させることによりその表面が水酸化された。窒化ホウ素ナノチューブを水酸化処理することにより水中や有機溶媒の中でよく分散させることができた。より重要なことは、窒化ホウ素ナノチューブの水酸化処理が更なる表面機能高度化のための優れた初期処理手法であると示したことにある。 高い熱伝導率を有する絶縁性複合材料を実現するための他の有用なフィラーとして、2次元窒化ホウ素ナノシートを液体剥離法で合成することに成功した。1回の実験で、ミリグラム単位の窒化ホウ素ナノシートを得ることができた。この窒化ホウ素ナノシートはポリマー複合体の機械的強度の補強に有用であることが示された。現在、高い熱伝導率を持つ材料への窒化ホウ素ナノシートの利用を進めている。
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