2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760540
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶原 隆司 Kyushu University, 工学研究院, 技術職員 (80423507)
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Keywords | 傾斜機能 / 重力場 / レーザーアブレーション / 低融点材料 / 高速度撮影 |
Research Abstract |
高重力場の効果とレーザーアブレーション法とを組み合わせたGAPLA法による組成傾斜薄膜の作製に関して研究を行っており、本研究課題においては特に低融点材料を対象とした実験を行っている。 平成21年度には研究実施計画に示した通り、低融点材料としてAl-Cu合金を選択し、低レーザーフルエンスでの組成傾斜薄膜作製を目標として、ターゲットを加熱した状態でのレーザーアブレーション実験を行った。常温の場合と200℃以上まで加熱した場合について、それぞれ1J/cm^2と3J/cm^2のレーザーフルエンスでアブレーションを行い、発生するプルームを高速度ICCDカメラで観測し、その発光の強度およびプルームの形状を比較した。その結果、ターゲット加熱時のほうがプルームの発光強度が大きいことがわかった。さらに波長フィルターを用いて発光粒子種毎の発光強度を観測すると、加熱時に発光強度が小さくなる粒子種も存在し、すべての粒子種の発光がターゲット加熱によって強くなっているのではないことがわかった。これはターゲット加熱により発生する粒子種の種類や発生量などが変化していることを示していると考えられる。より詳細に調査するためにプルームの高速度撮影と合わせて発光スペクトルの観測も行っているが、今回の実験ではターゲット加熱系の不具合の影響もあり、加熱による変化を裏付けるようなデータは得られていないため、さらに計測を行うことにしたい。なお、ターゲット加熱によるアブレーション閾値の変化については、今回の調査では明らかにすることができなかったため、フルエンスの管理をより正確にして実験を行う等の工夫が必要である。
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Research Products
(2 results)