2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760544
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 武 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10431602)
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Keywords | バルク金属ガラス / ジルコニウム合金 / 生体材料 |
Research Abstract |
平成22年度はZr-Ti-Al-Co基金属ガラスの開発と表面処理に関する研究を中心に研究を行った。Tiを含むZr-Al-Co基高ガラス形成能合金を開発し、水熱電気化学法によってその合金の表面にTi酸化物の生体親和性膜の形成を目指したが、この合金にTiを添加するとガラス形成能が低下と著しく脆化する傾向が見られた。高ガラス形成能を維持できるTi添加量は数%であったため、水熱電気化学法によってTi酸化物皮膜を形成することが出来なかった。そこで、Zr Al-Co基金属ガラスに適用できる新たな生体適合化およびポーラス化表面改質手法の開発に取り掛かった。Zr Al-Co合金構成元素の元素間親和力に着目し、Zr-Al-Co基金属ガラスが含有する元素の中で細胞毒性が高いと思われるAl、Co等を表面から選択的に取り除くと同時に材料表面を多孔化することが可能な脱成分法を見出した。通常、脱成分とは貴金属を含む合金を水溶液によって腐食させ、卑金属を選択的に取り除く技術として知られている。この技術をZr基金属ガラスに適用すれば、卑金属であるZrが優先的に腐食されてしまい、毒性元素の除去は達成できない。本研究により確立した金属溶湯を利用した脱成分技術は金属元素間に働く相互作用を利用した脱成分法であり、Zr-Al-Co合金表面からAlやCoを取り除き、多孔質純Zrを形成することも可能である。Zr基金属ガラス表面からこれらの毒性元素が一掃され、多孔質層が形成されれば、生体親和性が向上し、金属と生体組織との接合が促進されると期待される。
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Research Products
(3 results)