2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760544
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田 武 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10431602)
|
Keywords | バルク金属ガラス / ポーラス金属 |
Research Abstract |
平成23年度は水熱毛気化学法によるZr-Al-Co基金属ガラスの表面改質に関する実験および評価と金属溶湯による脱成分現象を利用した金属ガラスの無毒化に関する研究を行った。まず表面改質に関する実験ではTiおよびNbを添加したZr-Al-Co基金属ガラスを約100℃の水酸化ナトリウム水溶液中で行った。この処理ではこれらの金属ガラスの表面にはCoNa酸化物が生成し、ZrやTiやNb等の細胞毒性の低い元素の酸化物を合成することでは困難であった。また、Zr-Al-Co金属ガラスの疑似生体液中の力学特性評価も並行して行った。従来のZr基金属ガラスであるZr-Al-Cu系は疑似生体液等の塩化物イオンを含有する水溶液中では耐食性が悪いために応力腐食割れ感受性が高いことが報告されているがZr-Al-Co基金属ガラスは疑似生体液中での耐食性が極めて高く応力腐食割れ感受性がほとんどほとんどないことが分かった。 他方で、金属溶湯中での脱成分現象を利用したZr-Al-Co金属ガラスの表面無毒化・ポーラス化研究においては、Zr-Co基合金をCe等の希土類元素の金属液体に浸潰すると、Zr-Ceは不混和であるが、Co-Ceが混和であるため、Zr-Co合金からCo元素が選択的に取り除かれ、合金の表面に微細なオープンポーラス構造を持つ純Zrが生成に成功した。合金表面が純ZrであればCo元素の毒性の懸念はなく、生体適合性が向上するものと考えられる。現在、本技術を金属ガラスのガラス転移温度の低温で行えるように金属浴を開発している段階であり、これが達成されればZr-Al-Co金属ガラスの表面無毒化・ポーラス化が可能になると考えられる。
|