2010 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo(生体内)非破壊低侵襲型骨質解析法の確立
Project/Area Number |
21760558
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石本 卓也 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50508835)
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Keywords | 生体アパタイト配向性 / 微小領域X線回折法 / 透過型光学系 / 吸収係数 / 骨質 |
Research Abstract |
骨中生体アパタイト結晶配向性は、骨力学機能を骨密度より強く支配する重要な骨質指標であり、X線回折法を用いて解析される。現状その解析は、反射型光学系を用い、摘出後(ex vivo)の加工骨に対して行われている。本指標の臨床適用のためには低侵襲化が不可欠であることから、本研究では骨摘出・骨加工をともなわない、透過法によるin vivo(生体内)計測法の確立を目的としている。昨年度はex vivo・透過法による解析法の確立に成功した。本年度はそれをin vivoにまで拡張する。ex vivoとは異なり、in vivoでは骨の周囲に軟組織が存在するため、軟組織によるX線の吸収の見積もりや軟組織外部からの骨部位への正確なX線照射が必要である。 Mo-Kα線を用いた場合の軟組織(筋肉を主とする)の線吸収係数は、骨の数値の1/10以下であり、軟組織によるX線の吸収は極めて小さいことが示された。つまり、骨部位で発生した回折X線が周囲の軟組織で吸収されてしまう割合は非常に小さく、in vivoでの骨質解析の可能性が示唆された。さらに、骨と軟組織との間での線吸収係数の大きな差異は、X線吸収法を用いた、X線回折装置内での骨の可視化を可能とする。実際、マウス脛骨を用いin vivoにて長管骨横断方向に取得したX線吸収プロファイルから、長管骨の特徴的な管状形状由来の吸収ピークが検出可能であり、ピーク部位にて骨のX線回折パターンを取得可能であった。これらの知見より、本研究の目的である「in vivo非破壊低侵襲型骨質解析法の確立」が達成された。
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Research Products
(9 results)