2009 Fiscal Year Annual Research Report
き裂の形成と進展過程を考慮した粒界制御による面心立方金属材料の疲労特性向上
Project/Area Number |
21760560
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 重昭 Ashikaga Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00323931)
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Keywords | 疲労特性 / 疲労破壊 / オーステナイト系ステンレス鋼 / アルミニウム合金 / 加工熱処理 / 結晶粒界 / 粒界工学 |
Research Abstract |
面心立方金属材料の疲労破壊において、結晶粒界(以下、粒界と記す)は、き裂の優先的な発生場所となるとともに、き裂の進展、分枝および抑制に対しても重要な役割を担う。本研究は、このような面心立方材料の疲労破壊における粒界の重要に着目し、低積層欠陥エネルギー材料のSUS304オーステナイトステンレス鋼および高積層欠陥エネルギー材料の6061アルミニウム合金に対して、粒界制御による疲労特性向上の可能性を明らかにすることを目的として行われた。低エネルギーの小角粒界および対応粒界は、高エネルギーのランダム粒界に比べ、疲労き裂形成に対して高い抵抗を示すことから、低エネルギー粒界の存在頻度を高めることによる疲労特性向上の可能性を疲労き裂進展抑制の観点から明らかにすることとした。SUS304に対しては、加工熱処理による焼鈍双晶の導入と関連付けられる粒界制御により、対応粒界(特にΣ3対応粒界)の存在頻度を53%および73%に変化させた試験片を作製し、疲労き裂進展に及ぼす粒界性格分布の影響を調べた。その結果、対応粒界の存在頻度が高い試験片においてき裂進展が大幅に抑制されることが明らかとなった。一方、6061合金に対しては、集合組織の形成に伴う高頻度の小角粒界の導入による粒界制御を試みた。その結果、現在までのところ小角粒界の存在頻度を約50%まで増加させうることができた。さらに、6061合金に対しては、粒界制御による疲労き裂進展抑制の可能性をパーコレーション理論に基づき検討した。疲労き裂の形成、進展に対して優先的な場所となるランダム粒界のパーコレーションを考慮し、き裂進展の抑制に対する低エネルギー粒界の存在頻度の閾値が約60%であることを示した。
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Research Products
(2 results)