2009 Fiscal Year Annual Research Report
高アクセス性ポーラスナノ構造薄膜の作製と電子デバイス用ホスト材料としての応用
Project/Area Number |
21760562
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 俊輔 Kansai University, 環境都市工学部, 助教 (20454598)
|
Keywords | 規則性ナノ構造体 / 自己組織化 / 薄膜 / アクセシビリティ / イオン導電性材料 |
Research Abstract |
イオン伝導性材料としてメソポーラス材料の用途を拡大するために、メソポーラスシリカの特異なメソ細孔内に電解質媒体であるイオン液体を充填した無機-有機ハイブリッド構造体の調製に取り組んだ。メソポーラスシリカの細孔内にイオン液体を固定化することで、微小空間という特異な環境でイオン液体の優れた特徴が向上、新たな機能性が発現されることを期待し、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI-BF_4)を固定化したメソポーラスシリカを合成した。あらかじめ調製したシリカ担体にイオン液体を含浸する2段階法とシリカ前駆体とイオン液体の混合溶液から複合体を得る1段階法の異なる二つの方法を用いて行った。2段階の固定化法により調製した粒子には、含浸処理後約35wt%のEMI-BF4が含まれていることがわかった。しかし、粒子間にイオン液体が保持されていることが確認されたため、洗浄により粒子間のイオン液体を除去したところ、約10wt%の固定化量に減少した。一方、1段階の固定化法により調製した粒子では、粒子間にイオン液体は保持されておらず、約30wt%のイオン液体が粒子内に固定化されていることがわかった。また、1段階法を用いた場合、イオン液体が鋳型となりメソ孔を形成することがわかり、シリカマトリックス内にナノレベルで固定化されていることを明らかにした。また、多孔体転換後の細孔特性評価より、イオン液体の添加量を増加させることで、細孔容積、平均細孔径が増加することがわかった。
|