2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨形成能向上を目的としたパックセメンテーション法によるチタン系材料の表面改質
Project/Area Number |
21760574
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 恭介 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40507901)
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Keywords | チラン / 表面処理 / パックセメンテーション / 等温等圧法 / リン酸カルシウム / 骨形成能 / アパタイト形成 / 生体外評価 |
Research Abstract |
チタンの骨適合化表面処理として、リン酸カルシウムコーティングが最も有効な手段の一つであるが、本研究ではパックセメンテーション法と等温等圧法を組み合わせた新規リン酸カルシウムコーティング方法を開発した 1.パックセメンテーション法によるCa-Ti-O系反応膜の作製 CaOにCaCl_2を添加した粉末を用いた工業用純チタン(CP Ti)基板のパックセメンテーション法を行ったところ、CaCl_2を1%添加することで873K,86.4ksの処理においてチタン酸カルシウム(CaTiO_3)およびアナターゼ相を有する反応層を作製することができた。これはCaO,CaCl_2および大気中のH_20が反応することでCaClOHが生成し、これがTiO_2と反応することでCaTiO_3が得られたためである。また副生成物としてHClが得られるが、これがCaOと反応して再度CaClOHが生成されるため、CaTiO_3生成反応が進行したと考えられる。 2.等温等圧法によるP-Ti-O系反応膜の作製 P_2O_5とCP Ti基板を密封された石英中に真空封入し873Kで熱処理することで、CP Ti基板表面に2μm程度のPTi相を作製することができた。P_2O_5は800K以上で高い蒸気圧を示し、石英管中で気体となりTiと反応することでPTiおよびTiO_2相が生成したと考えた。 3.2段処理によるCa-P-Ti-O系反応膜の作製と評価 1段階目に等温等圧法を、2段階目にパックセメンテーション法を組み合わせることにより、Ca-P-Ti-O系反応層を作製することに成功した。得られた反応層を擬似体液に浸漬したところ、12時間後に基板表面にアパタイト相が検出された。とのことから本研究で得られたCa-P-Ti-O系反応層は、生体内における高い骨形成能を示すことが示唆された。
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Research Products
(9 results)