2009 Fiscal Year Annual Research Report
TiAl基合金損傷部へのAl拡散による高温特性の改善
Project/Area Number |
21760579
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐々木 朋裕 Niigata University, 自然科学系, 助教 (40432067)
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Keywords | 表面処理 / 金属間化合物 / TiAl基合金 / 溶射 |
Research Abstract |
本研究では,機械加工したTiAl基合金の耐酸化性および加工後の機械的強度を改善することを目的として、Alコーティングと拡散処理を組み合わせたAl拡散処理を試みた。Al拡散処理の素地としてTi-49%at%Al合金インゴットを作製し、超硬工具を用いたフライス切削により試験片形状に加工した。機械加工面には切削の切り込み量、および回転送り速度に対応した切削痕が形成され、数μmから50μmまでの深さの加工クラックが認められた。アルミニウムコーティングは充分な厚みのコーティング層を得るため、純アルミニウムによるワイヤーアーク溶射により行った。次に、1100℃の真空中で高周波加熱しアルミニウムコーティング層を金属間化合物化させた。平成21年度は,上記の方法で作製した試験片に対して、拡散条件が生成する金属間化合物層および機械加工欠陥に与える効果を中心に調べた。Al拡散処理によってコーティングの最表層には、拡散処理初期段階において溶融したAlコーティング層と母材との反応拡散によりTi_2Al_5から成るAl-rich層が生成した。一方、母材とAlコーティング層界面付近にはTiAl_2およびTiAlから成る中間層の生成が認められた。拡散処理時間の増加に伴いAl-rich層は減少し、中間層の厚さが増加し、切削加工によって生じた表面の凹凸は直線的な界面へと変化した。また、拡散処理後の断面観察においては、拡散処理前に認められた機械加工クラックは認められなかった。これらのことから、Al拡散処理による機械加工欠陥の解消効果が期待できることが分かった。
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