2010 Fiscal Year Annual Research Report
反応性プラズマ溶射法による高品位窒化アルミニウム皮膜創製技術の確立
Project/Area Number |
21760583
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 基宏 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00432295)
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Keywords | 窒化アルミニウム / プラズマ溶射 / 窒化反応 |
Research Abstract |
セラミックスの中では群を抜く高い熱伝導率を持ち、腐食性の高い活性プラズマに対する耐性も持つセラミックス材料に窒化アルミニウム(AlN)がある。ただし、AlNは難加工材料であり、半導体製造装置、大型ディスプレイなどへの需要がありながら、有効な成型加工技術が確立されていない。本研究では、熱プラズマの反応性を利用することにより、アルミニウムおよびアルミナを原料とした大気中反応性プラズマ溶射によるAlN皮膜作製プロセスの最適化のため、窒化反応過程の解明および最適条件の選定を行った。これにより、従来法では減圧チャンバー内での成膜であったものを大気中で可能にするとともに、より緻密な組織からなる皮膜形成を実現した。しかしながら、AlN相を多く含み、かつ厚い皮膜の形成は困難であった。反応を促進させるには窒化反応過程の解明が必要となる。得られる皮膜の相組成を調査したところ、AlNが安定な六方晶ではなく、立方晶系であることから、以下の考察をした。アルミニウムおよびアルミナの窒化または還元窒化反応はいずれも立方晶系をもつプラズマ内で酸窒化物の状態を経て反応が進み、基材衝突時に急冷凝固されることにより、立方晶の構造を維持したままAlNとして基材上に堆積すると考えられる。この酸窒化物の形成も皮膜および粒子捕集実験により確認されており、また、粒子捕集実験により粒子の窒化反応はプラズマ内を飛行中に表面から進んでいくことが確認された。このことから、反応性プラズマ溶射によるAlN皮膜作製に重要あ粒子の窒化反応過程を明らかにすることができた。
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