2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760589
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上路 林太郎 Kagawa University, 工学部, 准教授 (80380145)
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Keywords | 鉄綱材料 / 構造用材料 / 力学特性 / オーステナイト / 高速変形 / 金属材料 / 変形双晶 / 塑性変形 |
Research Abstract |
本研究の目的は、自動車などの構造物の耐衝撃性等安全性向上を実現できる構造用鋼の開発と製造方法考案に関する工学的基礎指針の獲得である。より具体的には、オーステナイト系鉄鋼材料に対して結晶粒微細化を利用した組織制御による静動差(高速変形時の強度と低速変形時の強度差)の向上を目指す。目標達成のために、完全再結晶組織を有するサブミクロンを含む種々の粒径を有するTWIP鋼(Twinning Induced Plasticity鋼:変形双晶誘起塑性変形鋼)の双晶変形挙動と静動差の変化の相関を実験により明らかにする。研究初年度に当たる本年度は、TWIP鋼の一種である30mass%Mn-3%Al-3%Si鋼に対して、(1)平均粒径1μm以下から100μm程度までの広範囲の平均粒径を有する各種等軸結晶粒組織、および(2)サブミクロン粒径の完全再結晶組織と圧延加工組織(転位組織)の混在する部分再結晶組織を形成された試料を作成した。同一の試験機(検力ブロック式材料試験機)系を用いて、10^<-3>/secから10^3/secまでの各種ひずみ速度での引張試験を行い、応力ひずみ曲線を測定した。その結果、TWIP鋼の平均粒径を1μm程度にまで微細化した場合、双晶変形が抑制される一方、活性化体積が増大することが明らかとなった。これを双晶変形が部分転位の単独運動によるものであると考えることにより理解できるとするならば、より大きなバーガースベクトルを有する完全転位による塑性変形を部分再結晶化等を利用して誘起させるにより、工業的に有益である活性化体積の増大を図れるという知見を得た。
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Research Products
(5 results)