2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁粉探傷試験の磁粉模様から微小欠陥のサイジングが可能な高精度非破壊検査手法の開発
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21760590
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
福岡 克弘 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40512778)
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Keywords | 磁粉探傷試験 / 非破壊検査 / 欠陥サイジング / 定量評価 / 画像計測 |
Research Abstract |
近年、トラックのハブの破損により車輪が脱落し母子が死亡した事故、遊園地のジェットコースターにおける車軸損傷による乗客死亡事故など、日常生活における安金・安心が脅かされるような重大事故が発生している。このような重大事故の発生を未然に防ぐため、欠陥(破損、損傷)を高精度に探傷・評価する技術を確立することは、我が国はもとより世界的にも緊急の課題となっている。非破壊検査手法の一つである磁粉探傷試験は、微小な欠陥をも検出することができるため、現在多種多様な実現場において広く採用されている。 本研究では、磁粉探傷試験で得られた探傷結果から、欠陥形状を正確にサイジング(欠陥形状の三次元的な推定)する手法の開発を行った。これにより、欠陥の危険度を判定し、重大事故の発生を未然に防ぐことのできる次世代の高精度磁粉探傷試験システムの確立を目的として研究を実施した。 以下に本年度実施した内容を示す。 1.エンドミルにより鋼材に人工欠陥(き裂)を設けた試験体を作製した。しかし、出来上がり寸法にバラつきがあり、欠陥形状が一定ではなかった。したがって、次年度に放電加工による欠陥の加工を検討する。 2.ホール素子を用いて試験鋼材の欠陥部からの漏洩磁束密度を計測するシステムを構築した。構築したシステムを用いて、鋼材表面に対して垂直方向(Z方向)の漏洩磁束密度を測定した。 3.磁粉の付着していく過程を計測するための、高速度カメラを用いた画像計測システムを構築した。開発した画像計測システムを用いて、鋼材上面から磁粉付着過程の動画像計測を実施した。また、前年度に作製したプリズムレンズを用いた側面観測用レンズアダプターでは撮影が困難であったため、ミラーを用いた側面観測用レンズアダプターを作製した。 4.欠陥の幅および深さをパラメータにした数値解析モデルを作製した。作製したモデルにより、欠陥周辺部の磁束密度分布と空間への漏洩磁束密度分布を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
本年度の研究実施計画に基づき、ほぼ計画通りに「試験体の作製」、「漏洩磁束密度の計測」、「画像計測システムの構築と磁粉量の評価」、「数値解析モデルの構築と欠陥形状と漏洩磁束密度の関係把握」を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究が進展しているため、次年度も当初の計画通りに研究を遂行する。
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Research Products
(10 results)